2004年度 日本建築学会東北支部研究事業
災害を考慮した文化財建造物リストのデータベース構築と活用
―行政・市民に開かれた文化財リストをめざして―
主催:日本建築学会東北支部建築史・意匠部会
後援:文化庁
宮城県教育委員会 仙台市教育委員会
阪神・淡路大震災では数多くの文化財建造物が被災した。文化財に指定されている建築物
については、それらの被害状況が把握され、復興に向けての対策が講じられた。その一方で、
日常生活に生き続けた未指定の文化財建造物は、その存在すら認識されずに消滅してしまった
ものが膨大な数に上った。そうした教訓から文化財建造物のリストを整備する必要性が叫ばれ、
本学会に歴史的建築リスト整備活用小委員会が誕生した。これまでに全国で3万件を超えるデータ
を入力し、現在もそれらの整備・拡充を進めている。この間、2003年5月と7月の宮城県を中心と
する東北地方の地震被害、同年9月の北海道における地震被害、2004年10月の台風による被害、
更に新潟県を襲った新潟県中越地震など、文化財建造物を含む文化遺産を根こそぎ破壊する災害
が立て続けに起こり、被害状況の把握や復興作業の基礎データとしてデータベースの充実がます
ます求められている。
この様な状況の中で、本部会では東北6県に所在する文化財建造物に関する基本情報のデータ
ベース化をほぼ終えた。本パネルディスカッションでは、国、地方自治体、学会における各々の
活動状況について報告し、地域文化の構成要素である文化財建造物を自然災害や社会状況の変化
といった破壊要因から守るために、文化財建造物のデータベースを東北地方のみならず全国的に
如何に活用すべきか、またその可能性について探りたい。
■内容
・主旨説明 月舘敏栄(東北支部建築史・意匠部会長、八戸工業大学)
・歴史的建築リストのデータベースについて 池上重康(北海道大学)
・新潟県中越地震について 広沢 康(新潟県教育委員会文化行政課)
・東北支部の活動について 永井康雄(東北大学)
・国の活動について 小沼景子(文化庁文化財部建造物課修理企画部門)
・休憩
・質疑応答 コーディネーター高橋恒夫(東北工業大学) コメンテーター川向正人(東京理科大学)
・総括 高橋恒夫(前出)
■場所:東北工業大学一番町ロビー(4階ホール)
仙台市青葉区一番町3番1号 ニッセイ仙台ビル TEL:022-723-0583
■日時:2005年3月11日(金) 13:30−16:00
■参加費:1000円(資料代を含む)
■申込先・問い合わせ先
〒980-8579
仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06
東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 永井康雄
TEL:022-217-7862/FAX:022-217-7863/Eメール:yasu@tjogi.pln.archi.tohoku.ac.jp